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高橋久美子さんのエッセイ集「いっぴき」を読みました。
高橋さん(以下、くみこんさん)はチャットモンチーの元ドラマーで、2012年にグループを脱退。それ以来、作家・作詞家として活動なさっているようです。
私はチャットモンチーのファンなので、「いっぴき」を見つけた途端、読まずにはいられない!と思いました。
目次(タップした項目に飛べます)
書く人の孤独に寄り添ってくれる
書くことがとても孤独な作業だと知ったのは、ブログを始めてから。
もちろん書いているときはひとりなんだけど、日常生活でもある程度心を落ち着ける時間やひとりの時間がないと書き続けることはできない。
書くことに限らず、何かを生み出している人はきっとなんらかの孤独と闘っているのだろうと気づいたのは、割と最近のことです。
くみこんさんがミュージシャン→作家になったように、私も学生時代は音楽をしていて常に人に囲まれた生活→今かなりひとりの時間が長い生活、をしています。
いまいちばん人生で孤独だ、なんてたまに思ったりします。
くみこんさんは有名人だしスケールが違う話で恐縮なのですが、いまの自分に寄り添ってくれる本だなぁと思いました。
音楽家から作家へ変わっていく覚悟のようなことが、ふとした時に垣間見えました。
まさにいま欲していた言葉が本の中に踊っていて、読み進めるたびに勇気が湧いてくるような本。
この本に出会う理想的なタイミングで出会えた感じです。
くみこんさんがこんなに行動的だったとは!
本の中には旅行記もたびたび出てきます。
観光地を巡るというより、現地の人の目線で暮らすように旅するのが好きだというくみこんさん。
行っている場所も海外の秘境など、危険なのでは!?という場所が多くて、こんなに行動的で勇敢な方だったんだ、と驚きました。
旅先でのエッセイの中では「オレンジ色のフィレンツェ」が好きでした。
私も夫と二人で旅行、ばかりではなくて、ひとりで旅、もしてみたいなと思いました。
最初から海外だとハードル高いのでまずは国内で。
「いっぴき」にたびたび出てくる四国巡りしてみたいなあ。
ローカル線に乗ってぶらぶらしてみたい。
昔話にチャットモンチーが浮かぶ
学生時代のお話も多数載っています。
あまりに青春で眩しくて、これはまさにチャットモンチーの世界そのもの、でした。
楽器を始めた経緯や音楽について考えていたことも丁寧に綴られていて、チャットモンチーファンとしては必読の一冊だと思います。
完結してしまったいま、チャットモンチーというバンドがあったことが奇跡みたいだなと。
その奇跡が生まれるまでにこんなドラマがあったんだなとジーンときてしまいました。
本の最後の、えっちゃんの解説は、長年の積み重ねがあったからこそ出てきた言葉たちですごく重みがあって、涙腺ゆるみっぱなしでした。
おわりに
くみこんさんの面白くてエネルギッシュな人生に触れて、パワーをもらえました。
「いっぴき」だけど、本当にひとりぼっちなわけじゃない。
あえて「いっぴき」になって言葉を生み出していく生き方にこれからも目が離せません。